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個人データ & ブロックチェーン技術:トークン・エコノミーにおけるユーザーの趣向の報償

Published on: 29 8月, 2019

サービス、製品、ソーシャルメディア・ネットワークを対象とする自身の趣向を直接的に収益化することのできる方法がないかどうか、あるいはウェブ閲覧時に自身の個人情報を共有するだけで直接的に収益化することのできる方法がないか、自問したことはありますか?私たちは自らの個人情報やソーシャルメディア・チャンネルのコンテンツの共有、ならびに自身の健康状態、好みの製品、サービス、店舗、ロケーションを記録するアプリを使っての個人情報の提供に慣れっこになっています。しかし、ブロックチェーン技術到来の前、ユーザーには、例えば、サーチエンジン、ソーシャルネットワーク、モバイルアプリを選択するにあたってトークンが付与されることはありませんでした。皮肉にも、そうした情報は特定のオーディエンスに広告キャンペーンを標的化する何千もの企業にとって極めて重大です。

 

ユーザーがデータやウェブの設定を制御しつつ、同時に収益化を図れるような方法はあるのでしょうか?

はい、存在します。ブロックチェーン技術はユーザーの設定や趣向に支払をしたいと考えるような幅広いサービスや企業を提示します。そのうえ、多くの企業は自身のサービス利用に踏み切るユーザーのみならず、個人情報の共有またはコミュニティによって評価されている魅力的なコンテンツの創造に従事するユーザーへの報償にも意欲的です。 いくつか例を見てみましょう:

 

Koibanx およびRSK 技術の後押しを受け、 Tokkenitは企業が自身のロイヤルティ・プログラムを創造し、ブロックチェーン技術を駆使した、顧客への恩恵や賞の付与を可能にします。そして、柔軟で、誰しもがアクセスできるカスタマイズされたアプリで、会員カードやクーポンは不要です。トークンでユーザーの報償を望む企業はこうしたサービスによる恩恵を享受することができ、トランザクションは完全に透明で安全であるからです。クーポン、紙、会員カードはもはや不要です。

 

先述しましたように、コンテンツの作成者は、自身のコンテンツ努力によって獲得する報償 増大の手段として、 デジタル広告のブロックチェーン技術を模索しています。 Steemit Sapienおよび Someeのような選択肢は、コンテンツがソーシャル・バズや関与を得る時にパブリッシャーやコンテンツ作成者が中間者手数料なしで報償されうることを示す良き例です。 Sharpayもまた、ソーシャルメディアでの情報共有および関与の創造を通じ、ユーザーを報償するユニークなコンセプトを模索しています。こうしたことは言うまでもなく現在のインフルエンサーのインセンティブを根底から覆す、つまり、フォロワー基盤を収益化する新しく直接的な方法です。さらに、BAT のようなプロジェクトは(ネイティブ・ブラウザを用いて)ネイティブのERC-20 トークンでユーザーを報償し、結果、ユーザーは好みのパブリッシャーに貢献しつつ、同時に自らのプライバシー強化を図ることもできます。他方、コンテンツ作成者はパブリッシャーとなることで収益化の利率を高め、広告主はボット不正リスクを軽減し、自身のデジタル広告努力からのROI 改善を図ることでブロックチェーン技術の利点を享受することができます。

 

検索エンジンの点では、 Presearchおよび Bitclaveは、消費者がウェブ閲覧時にネイティブのトークンをどのように消費することができるかを実証する良い見本です。Bitclave は1歩踏み込み、ユーザーが安全に情報を共有しつつ、プロセスから収益を獲得することを可能にします。Wibson はユーザーが個人データの共有によって直接的にどのような恩恵を享受しうるかを示す良き事例です。個人データがすでに収益化目的でアプリやウェブサイトによって使用されている場合、中間者や中間手数料を排除して、自身が決断するタイミングと相手を対象に、個人情報を収益化したいとはお考えにならないですか?間違いなく当然の考え方です。

 

eコマースやサービス消費の点では、レビューは、疑いようなく、または絶対的に、重要です。他方、製品、サービス、車、あるいは次に予定する休暇プランの購入を検討する場合、常にレビューを検証して他人の見識を知りたいと思うでしょう。問題は、多くの人々が広範で極めて詳細かつ有益なレビューを提供するだけの実際のインセンティブを持たないことから、私たちが目にしたいと考えるような、客観的なレビュー・プロセスが、大抵の場合、構築されていないことです。 Review Networkといった提案ですが、ユーザーに直接のインセンティブを提供しますが、というのは、総合的なオンライン・レビューの記述と市場調査の回答において報償を得ることができるからです。 SynchroLifeはユーザーがレストランについて誠実で正直なレビューを提出することでトークンを獲得することを可能にします。これらは分かりやすい事例に過ぎないものの、考え方は極めてシンプルで、垂直状に展開することで、消費者に自身の時間や知識を提供するうえでの明確なインセンティブが与えられている新しい仮想通貨経済モデルが解放されます。

 

Verasityはもう1つのユニークな事例であり、視聴者向けに動画やロイヤルティ・プログラムを提供する動画パブリッシャーにとってのインフラとツールを構築します。動画の視聴者ですが、お気に入りのゲーマーやコンテンツ作成者の作品等を視聴する際に直接の恩恵、トークン、報償を得ることができるため、動画視聴にあたって直接的なインセンティブが付与されています。ウェブサイトで触れられているように、Verasity がYoutube、Twitch、Vimeo、Brightcove 等の既存の動画や広告配信プラットフォームを基盤に構築されていると考えるなら、このコンセプトにはたくさんの可能性があります。ゲーミング産業を単体で考えてみましょう。このことは、疑いようもなく、広告主、ゲーマー、インフルエンサー、コンテンツ作成者にとって状況を一変させるだけの要素です。

 

この点において、私たちは数々の方法で直接的にユーザーを報償するブロックチェーン技術を検証する幾多の選択肢のわずか数例を見てきました。このようなプロジェクトが大々的に拡張すれば、中間コストが劇的に縮減される可能性があると同時に、ユーザーが個人情報や選択を収益化しようと決断する方法とタイミングを制御することによる付加的な恩恵とともに、自身のプライバシーが強化されることから、未来は有望と思われます。ブロックチェーン技術にとってこれからワクワクするような時代が訪れることでしょう!